そういや小倉百人一首には「お正月の歌」ってないですね。
季節的にお正月に一番近いと考えられるのは「君がため春の野に出でて若菜つむ 我が衣手に雪はふりつつ(小倉百人一首15番・光孝天皇)」春の七草――つまり1月7日くらいの歌ということになるワケですが「お正月そのもののことを詠んだ歌」は特に掲載されていません。定家の好みの歌がなかっただけかもしれませんが(笑)
それで、お正月のことを詠んだ和歌はどのくらいあるものかな〜と思い古今集や万葉集の本をパラパラとめくっていたら、万葉集の最後に掲載されている「かささぎの~」の歌人・大伴家持さんの歌があったのを思い出しました。
新(あらた)しき 年の初めの 初春の
今日降る雪の いやしけ吉事(よごと)
万葉集第二十巻4516 大伴家持
(原文:新 年乃始乃 波都波流能 家布敷流由伎能 伊夜之家餘其騰)
「新しい年を迎えた今日降っている雪のように、良い事がたくさん積もるといいなぁ~」という感じの歌。「新しき」は「あたらしき」じゃなくて「あらたしき」な所がポイントです。「良い事が雪のように降り積もるといいなぁ~」という表現にちょっと可愛らしさを感じちゃう系主婦。
雪降るお正月にこういう歌を読むと家持さんのように”今降ってるこの雪が「良い事」だといいなぁ”と思ったりします。
何というか、まぁ、雪の方はあんまり降ってくれなくていいですけどね(苦笑)