今日のCNAコミュニティチャンネル(10ch)の「し〜なチャン」には「おもしろくわしく。ひゃくにん一首」が入ってます(※毎週木曜と日曜放映です)
第三回目の今日は「久方の光のどけき春の日に しづごころなく花の散るらむ」でした。途中若干噛んでる所があったりするので、桜が散る様よりも解説者の方がよっぽどしづごころなかったのですが←(苦笑)
平安時代と現代の桜の違いについてお話をしたりしました(´ω`)
ものすごく真面目に描いた今回のイラスト。
百人一首には桜の花が6首出てきます。
・はなのいろは
・ひさかたの
・いにしへの
・もろともに
・たかさごの
・はなさそふ
平安時代の歌で「花」と出てきたらおおよそ桜ですが、当時は現代でメインとなっている「ソメイヨシノ」は無く「ヤマザクラ」が一般的でした(※ソメイヨシノは江戸時代に植木職人が開発したものなので平安時代にはありません)
・・・という話を番組の方でしています(・∀・)
同じように「花」という言葉が出てくるけれど「桜ではない」のは「ひとはいさ」の歌。この場合は「梅」を示しています。
という事を撮影の合間にプロデューサーと話していたら、疑問に思った模様。
P「何で歌に出てくるのが『梅』なのか『桜』なのか見分けられるんスかねぇ?」
亮「あぁ、この『ひとはいさ』に出て来る花は『香る』じゃないですか。香るのは『梅』なんです。桜の場合は『散る』んですよ」
P「ほほー、なるほどなるほど。表現で違いが分かるんスね!深いなぁ〜」
ちなみに、万葉集の時代には「花」といえば「梅」でした。
当時、中国から伝来して流行ってたんだそうです。平安時代に代わってからは、桜の儚い姿が愛でられるようになったのか、桜の方がメインになっている感がありますね。
百人一首には出てきませんが、「ちはやぶる」の歌を詠んだ在原業平の桜の歌が古今和歌集に載っています。
世の中に絶えて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし
ザックリ言うと「この世に桜というものがなかったら、きっとこんな風に心が騒ぐこともなかったんだろうな〜」という感じの歌です。桜のせい、と言ってますが、そう思うくらい桜の開花には心が浮き立ったのでしょうね。
(※余談ですが、もしこの歌が百人一首に選ばれていたら「よのなか」で始まる歌が3つあったことになってしまう上に、「ち」の札は「ちぎりき」「ちぎりお」しかなかったという事に・・・さらに言えば、「ちはやふる」の漫画のタイトルも生まれない・・・・・・)
我々競技かるた人が慣れ親しんでいて、そして私たちの会の名前にも使わせてもらっている、もう一つ「花」が出て来る歌。
※競技かるたでは「今を春べと〜」としてますが、本当は「今は春べと〜」が正しいです。「いまは」の決まり字があるため同じに詠むのを避けていると聞きました。
※追記:・・・が、細かい経緯については、なにはづ氏のコメントを参照して下さい(・∀・ )
ここに出て来る歌も「梅」です。
「冬ごもり」から明けて「春」になったから咲いたので「梅」
咲く順番は「梅→桃→李→桜」と言われています。私の住む秋田あたりだと、もうほとんど近い時期に咲いちゃうんですが(笑)それでも、現在梅は咲いてるけど桜はこれからです。やはり梅が先に咲くんですね。
次回の番組登場は、12日(日)「花ぞ昔の香ににほひける」です。
今、決まり字をつぶやいた人も、そうでない人も(笑)
「おもしろくわしく。ひゃくにん一首」次回もお楽しみに♪