勝つ者がいれば、負ける者もいます。
一回戦、D級(小学校5,6年生の部)に出場したトマトちゃんは、今回が初めて経験する大会でした。
まだ初めて2ヶ月くらいの彼女。標準札でも取れるようにはなりましたが、基礎的な事を身につけるのはまだまだこれから。でも本人がチャレンジを希望したのでエントリーしたのでありますが・・・結果は✕20。大会ともなれば緊張もしているし、必ずしも練習通りにいくわけではありません。
戻ってきたトマトちゃんは涙にくれていました。
大会前にも言ったように「(実力云々関係なく)負けに来る人」はいません。出るからには勝ちたい、みんながそういう思いを胸に試合に臨むのです。でも、かるたには引き分けがないので、誰かが勝てば必ず誰かが負けます。勝負とは非情です。
人は負けた時に、なかなか自分の負けを受け入れられないものです。中には自分に何らかの言い訳をして、悔しさをごまかしてしまう人もいます。私もそうでしたが、大会で負けた後A級選手の人に言われました。
「亮さん、ちゃんと悔しがらなければダメですよ」
悔しさから逃げる事を覚えてしまったら、いつも何かを言い訳するようになってしまうのです。そんな風に自分をごまかさないで、悔しいなら悔しいと素直に言えば良い。ただそれだけの事が、案外できないものだったりします。トマトちゃんは、ちゃんと悔しがっていました。素晴らしい事です。
なかなか泣きやまないトマトちゃんのフォローをしながらさり気なく振り返りなどをしました。
鹿角市の大会は、負けた人同士での練習試合をすることが出来るので、泣き止んだら練習に参加することを勧めました。
その後、彼女は(泣くだけ泣いた後)練習試合に積極的に参加しに行ってました。
いつか本当に強い選手になった時「あんな風に悔しくて泣いたこともあったよね」と言えるように。これもまた「大事な経験」として覚えていてほしいなと思う私でありました。