かるたる!〜競技かるた日記〜

日常系競技かるたブログです。

昼は消えつつものをこそ思へ

御垣守衛士の焚く火の夜は燃え
昼は消えつつものをこそ思へ


先日の大会の際に、黙祷の前に捧げた一首です。
折角だからこの歌の事でも話題にしてみようかと。。。


御垣守の衛士っていうのは、要は宮中の門を警備するお仕事の人です。
単身赴任で過酷な労働条件で働かされてる人達なんですよね。
(そういうのって今も昔も変わりませんねぇ)

夜に焚かれる篝火というのは、現代と違って、より幻想的なものだったでしょうね。今では夜といっても必ず何処かに明りがありますが、当時はそんなものないから夜といえば本当に真っ暗な世界だったろうと思います(だからこそ、夜に対する恐怖、怪談的な話が出てくるのでしょうね)

そんな風景が描かれた歌ですが、これは恋の情熱を歌ったものだったり・・・

「夜は貴女への思いが燃え上がり、昼は消え入るようにもの思いにふけってしまう」

という意味が込められているワケで・・・当時は朝になると愛する人と別れなければならなかったので(訪れるのは夜でしたから)ものすごく要約すると逢えない昼の間は超寂しいって事でしょうかねーラブラブですねー。

情景描写をしつつも、思いを表現できるっていうのがすごいなぁと思わせる一首なので、私も歌として結構好きだったりします。


黙祷の時は、そんな情景を思い描きながら、普通の「競技として」ではなく「歌」として意識して、詠ませて頂きました。